2020.1.15
「& POTTERY」閉幕しました。
 


 
2019年12月13日から、会期延長も含めると29日まで約2週間ちょっとの器の企画展「& POTTERY」が閉幕しました。
ご来店くださいました皆さま、ご購入くださいました皆さま、ありがとうございました。
思うこと、考えることはたくさんありますが、今はまだうまく言葉にできず、会期中、instagramに投稿していたいくつかの記事を転載して今回の企画展の振り返りとしたいと思います。
 

 
12月10日
今日も作家さんから作品が届いています。靴の製作をして、接着剤を乾かしている間に、荷ほどき、検品、そして靴の製作に戻る。お昼のおにぎりを食べながら、ぐるっと店内を見渡して大まかなレイアウトを考える。午後は什器を動かす。これが重いんだよな、ひとりだと…什器の脚の下にダンボールを敷いて、反対側の脚の方を持ち上げて引きずりながら動かす。毎回のことです。


 
12月13日
本日お越しいただいた作家の松本美弥子さんは、現在、他の会場でも企画展に参加されています。松本さんの作品を見ると、高校の頃、オケの指揮者の先生が「休符は決して休みではないよ」と言っていたことを思い出します。余白はけっして空虚ではないのだと、余白は余白の存在があると、そんなことを考えます。
 

 
12月15日
今回の企画展、ディスプレイが1番最初に決まったのが高木さんの作品でした。
中央アルプスと南アルプスに囲まれたこの伊那谷では、少し山の方へ足を伸ばすと、たくさんの花崗岩を見かけます。川へ行った息子がまず手にとる、そしてお土産と言って持ち帰ってきてくれるのが花崗岩。それも少し薄いピンクや茶がところどころかかったようなもの。
高木さんの作品の特徴は、シンプルな造形の器にまさにその花崗岩のような風合いの釉薬が魅力です。触れるとざらっとした感触も自然の石に触れているようです。この作品になにを合わせるのかと考えたときに僕がイメージしたのは落ち葉で、高木さんの作品は少し低めのテーブルに並べ、そのまわりや上に落ち葉を散らしました。落ち葉の多いこの時期、標高が800mくらいのところ、川辺で花崗岩を見つけて息子が目をキラキラさせて手にとるように、そんなワクワク感をもって高木さんの器に出会ってもらえたらと思います。
高木さんのリム皿には鶏肉とナス、厚揚げの入ったみぞれ煮を盛りたいですね。しめじも入れたい。寒い時期にはあたたかな料理がいいですね
 

 
12月19日
白い食器は使いやすいと言われますがオノエさんのこの作品が、その白い食器の類に容易に分類されるのかと考えると、そう簡単ではなく。だからといって扱いにくいわけでもない。でもどこか手に取る人たちの手もとに緊張感が見えるのは、オノエさんの向き合っているなにかや作品のもつ雰囲気がそうさせるのでしょう。
でも意外とローソンで売ってる、チョコエクレアなんかをのせたりしたら、ニコッと笑顔が咲くような、人懐っこくて親しみやすい表情を見せてくれる器なんじゃないかと思います。
 

 
12月27日
これって前にもありました?2回目に来店されたお客様にたびたび言われることがあります。もちろん、ありました。店内のディスプレイというのはちょっと置き方や並べ方を変えるだけで、誰かに届いたり、届かなかったり、前面に出しているから売れるのではなく、店内の奥の方や棚の下の段に置いていても、お客様が手にとって動く作品はあります。ひとつひとつの作品がうちの店の中で、自分の居場所を獲得してゆくようなところがあります。それがバシッと決まると、そこがどこだろうときらりと光放ち、届くひとに届く。
なので会期中に僕がやることと言ったら、作品の雰囲気にあわせて、あっちに置いたり、こっちに置いたり、あれとこれを組み合わせたり、ここは地続きで見てほしい、あそこで一回視線を区切りたい、深夜にひとりごそごそ什器を動かしてレイアウトを変えても朝になって出勤して眺めてみると、なんか違うな…といってやり直す。そんな日々も残りあと3日。
 

 
12月29日
4歳半の息子は力強くたくさんの言葉を話せるようになった。この1年のうちに「なぜかっていうと…」なんて生意気な語りもするようになった。
長野に越して来て2度目の冬。夕方、日も落ち、気温4度のなか、店からアパートまでの道を息子と一緒に歩く。頬を刺すような風に吹かれ、息子が「とうちゃん、かぜがつめたいね」と発する声にも実感がこもる。「かぜ」という言葉の意味を、匂いや冷たさや彼を取り囲むまわりの色彩と一緒に、身体に染み込むように理解してゆく。これからもそうやっていろんな言葉を力一杯拾いながら自分の語れる言葉を彼は彼のペースで獲得してゆくのだと思う。
 

 
最後に、今回ご参加いただきました作家の皆さま、主催の名倉さん、写真の大野さん、フライヤーデザインのhaseさん、ありがとうございました。世の中に無数にある仕事の多くは誰かが欠けても、誰かが補って成り立つようにできているけれど、この企画は誰1人欠けてもできなかったものなんじゃないかと、大袈裟でもなんでもなく、素直にそう思いました(2回目)。
 
次は今年の年末でしょうか?
One day at a time.